融資の現場

補助金の採択歴に金融機関から高い評価

東京都 西守 正希さん(税理士 / FP)

業種IT業
年商5,000万円
社歴3年
従業員数3名
融資額2,000万円
成功の決め手補助金採択歴など
報酬額約50万円
nishimori

(2016年6月取材)

若い経営者の、新しい事業

西守

従業員3名と申しましたが、3名とも役員で、それ以外のスタッフはいないという状態でした。ITという業界ということもあるのでしょうか、お若くて、みなさん30歳前後という印象だったかな。

協会

社歴は。

西守

会社を立ち上げて3~4年、だったと思います。その間きちんと会社を経営できていて、さあ次の段階へ、というところでした。

協会

年商5,000万円の会社が、融資2,000万円を希望したとのことですから。

西守

当初の希望額はもっと低かったんです。1500万円くらい出るかなあ、でももう少し多いと余裕が生まれるね、じゃあ2000万円で申し込んでみよう、大丈夫だと判断し、結果、満額出た。

協会

ITのような業種でも、金融機関は新しい事業をイメージしてくれますか。

西守

心配いりませんよ、提出資料で説明できていればいいのです。弊所にはIT業界のお客さまも多いのですが、金融機関も融資の際きちんとご理解くださいます。

「ものづくり補助金」の採択歴が高評価

協会

今回の融資の決め手は。

西守

ひとつではなく、複数ですね。たとえば、まず自己資金が1/4くらいあった、毎月の売上が安定していた、さらに業界内での受賞歴があった。また、補助金の採択歴があったこと、これが金融機関から高く評価されまして。

協会

ITということは。

西守

「ものづくり補助金」ですね。これに採択されたということは、信用できる事業を行っている会社だという、中小企業庁からのお墨付きのようなものです。

協会

想定より多めの融資希望額でも通るんですね。

西守

私が経験したケースに限りますが、融資商品によっては、わりと高めの融資額でも通ることが多いんですよ。

協会

金融機関の担当者が、もう少し高額でも大丈夫ですよと耳打ちしてくるとか(笑)。

西守

それにはノーコメントとしておきますが(笑)、金融機関だって「信用できる相手にはきちんと貸したい」と考えている、ということだけお伝えしておきましょう。

協会

今回は、なんといっても補助金の採択歴ですね。

西守

これだけ高く評価されるとは…と、そのときの私もたいへん勉強になりました。補助金の採択歴があるということは、そのときの資料が説得力高く作成されているということです。金融機関は歓迎してくれるし、サポートする側もスムーズですよ。

顧問先でなくても融資相談は歓迎

協会

このときの西守さんの報酬額は。

西守

ずいぶん前の話ですが、当時、50万円くらいだったでしょうか。といっても報酬額は一律に決められるものではないんです。企業さんの事情、金融機関、融資商品など、複雑な要素が絡みます。

協会

西守さんの顧問客でなくても、融資の相談だけしてもいい?

西守

もちろんです。融資案件は、創業融資も含めて年に数十件携わっておりますので、どうぞ気軽にご連絡ください。

(おわります)

【今日のまとめ】

  • 補助金の採択歴は、金融機関から高評価が得られやすい
  • 業界内であっても、受賞歴があれば提出書類に忘れず記載すること
  • 一定の自己資金は、やはり強い
  • 高めの融資希望額を設定しても、条件さえ整っていれば通る