自己資金の3倍の希望額が通った創業融資
北海道 宮井 佑輔さん(中小企業診断士 / その他)
業種 | 飲食業 |
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年商 | なし |
従業員数 | 1名 |
融資額 | 750万円 |
懸念点 | 満額で通るか |
成功の決め手 | 経歴+事業計画書 |
報酬額 | 約40万円 |
(2023年5月取材)
経歴と事業計画書で満額融資
宮井
自己資金250万円、融資希望額は750万円の創業融資でした。
東川
やや難しい案件といえるかしれません。必要資金は合計1,000万円、うち自己資金は25%。銀行視点だと30%を求めたいところですから。
協会
それでも満額を得られたのは。
宮井
まず、経営者の経歴です。業界歴25年以上、うち約20年を「仕入れ」部門で、最後の5年を「販売」部門、つまり店長として勤務していたんです。
東川
これも銀行視点で見ると、食材の目利きができること、安価で仕入れるルートを築いていること、店舗の運営経験がある点が高評価です。
協会
事業計画書もていねいに作成したとお聞きしています。
宮井
「ここまできちんとした事業計画を見たのは初めてだと言われました」…と、公庫との面談後に経営者からうれしい連絡をいただきました。面談も短時間で終わったそうです。
東川
計画書が優れていれば、担当者も質問することがありませんからね。
経営計画書で数値化を徹底
協会
今回の事業計画書のポイントは。
宮井
①顧客リスト
②近隣調査
③銀行が飲食店を評価する項目を数値化した一覧表
…でしょうか。
協会
①顧客リストとは。
宮井
「行くよ」と言ってくれた以前からの知り合いにクーポンをお渡ししたとのことでしたので、その方々のリストです。
協会
②近隣調査とは。
宮井
店舗周りの飲食店の調査です。経営者ご自身にも行っていただいたのですが、私のほうでも二次情報で取れる情報を集め、両者の突き合わせをしながらブラッシュアップしました。
協会
それは説得力がありますね。
宮井
日ごろから資料作成は、「経営者から聞いた情報を落とし込む」のではなく、「経営者と一緒に作る」といった感覚で取り組んでいます。
協会
③銀行が飲食店を評価する項目を数値化した一覧表とは。
宮井
銀行が飲食店を評価する項目をピックアップし、各項目を数値にして他店と比較して一覧化。最後に、Googleの口コミの評価数などを付加して資料を出しました。
資料作成「前」、融資の「後」の支援姿勢
協会
今回の計画書を作るときに注力したことは。
宮井
まず、資料作りの「前段」の、ヒアリングです。事業者の方から、創業に対する思い、経営の進め方などをていねいにお聞きしています。そのうえで次に、実現のために数値を詰めるのを、とくに意識しました。
東川
銀行側にとって、数値は大切です。いくら創業者の技術が高くても、「それで、どれだけの集客ができるか」「いくらの利益が残るか」を数字で見たいのです。
協会
創業融資が通った「後」は。
宮井
知り合いのカフェを貸切にして行った私の小規模事業者持続化補助金セミナーで、この経営者にゲスト参加いただいたんです。懇親会ではライブで料理を作ってもらい、1日で約5万円の売上が立ちました。
協会
徹底した数値化+融資の「前後」の姿勢、心強いサポートです。
(おわります)
【今日のまとめ】
- 経営者の経歴は重要視される
- 綿密な事前調査と数値化
- ていねいなヒアリングと支援姿勢